上海最終日の朝、東台路の骨董市場に行ってみた。
骨董市場というかガラクタ市場なので、買うつもりはなく、
ただこの辺りのレトロで、生活感ありありの雰囲気を楽しむつもりで、ぶらぶらと行ってみたのです。
地下鉄10号線「老西門」駅から徒歩5分くらい、角を曲がれば、露店が軒を連ねる通りが見えてきます。
今はガラクタ通りとなっていますが、租界時代のこの辺りは、布問屋街として栄えたところ。
下の写真の「大徳堂」も昔は大きな呉服問屋でした。
こういうの「華洋折衷」というのでしょうか、瓦と、西欧風の煉瓦の壁との組合わせがステキですね。
趣の残る建物に見とれながら歩いていて、つい入ってしまったこういうお店、
ショーウインドウの壺に目を魅かれて立ち止まってしまったのです。以前から壺が欲しいと思っていたので、そのまま中へ中へと進んでしまって。ガラスケースの中の茶器とか食器類を食い入るように見つめていたのがばれたのでしょうか、途中から現れたおじさんがすごかった。
マシンガントークでしゃべる、シャベル。商品のことだけでなく、最近の上海事情やらグルメの話し、自分の甥の話まで、そしてその合間に、30秒に一回くらいの割合で私のことも褒めまくり。
この人、ものすごい勢いでしゃべりながらも、私の視線の先をしっかり追っていたのでしょうか、私好みの茶器をガラスケースの中から大事そうにいくつか出してテーブルの上に並べてくれました。 やっぱり中国人の商売人って大したものです。
調子のいいおじさんですが、お値段はかなり強気、こういうところも中国人商売人なのかもしれません。アンティーク的価値というのは、私にはまったくわからないので、茶器としていいものかどうかで購入を決めました。あとはしっかり値段交渉。
ちょっと古いものだと思います。磁器だけどトロンとした質感が好き。それと描かれた花の上品さ。実は一目ぼれでした。なのでおじさんがケースの奥からこれを出してきたのには驚きました。
あと、紅色が美しい茶杯を2つ買いました。 おじさんはいろいろ言っていたけど、レプリカものだと思います。ピカピカの新品みたいだし。上海博物館の売店で買うよりはお安いかな。
壺は今回はパス。意外とお安いです。おじさんが言うには壺は、茶器ほどの品質を求められるわけではないので、お値段もお安いのだとか。
今回の上海旅行、茶葉も茶器もあまり買わなかったので、ちょっと物足りなさがあったのか、最後の最後でやっちゃったって感じですが、
家でお茶を入れて眺めていると、やっぱり買ってよかったなって思います。