イスタンブールの中でもトプカプ宮殿は最大の観光地、なのでこの日は朝早くに張り切ってホテルをでました。
ところが道行くトルコ人のおじさんに、トプカプ宮殿は朝は団体客が幾組もやってきて、とても混雑するので3時以降にしなさいって言われて、えーって思ったのだけど、素直に従いました。
素直に従って正解!3時過ぎに行ったらおじさんの言ったとおり、行列も混雑もなくゆっくり楽しめました。
あの時のおじさんに感謝。
(私がイスタンブールに行ったのは6月です。ハイシーズンの7月8月はまた様子が違っているかもしれません)
まずはトプカプ宮殿に入場
トプカプ宮殿へは挨拶の門から。
ハレムは別料金になりますが、イスタンブールミュージアムパスにはハレムも含まれています。
オーディオガイドも絶対あったほうがいいと思います。ハーレムが含まれたオーディオガイドはTRY30。ちょっとお高いですけどね。
いざ禁断のハレムへ
いきなり美しいタイルに囲まれて感激してたのですが、実はこれはまだまだ序の口でした。
黒人宦官たちのお部屋が並ぶ通路を通ってハレム入り口へ。
入り口を抜けると立派な鏡が2枚向かい合わせになっているお部屋に通じます。この鏡は警護に使っていたらしい。
黒人の男奴隷は去勢された宦官。ハレム内の雑務が主な仕事なのだけど、ハレムの実権を握り政治を左右する宦官も現れました。
スルタンの母、【母后の部屋】なんだか西洋風。明るく落ち着いた感じ。
ハレムのトップはスルタンの母。でもハレムの女性の身分はすべて奴隷なのです。
女奴隷の最高位がスルタンの母
ハレムは豪華絢爛って感じではありませんが、タイルの美しさは圧巻!そして家具や扉や窓枠などに施された数々の螺鈿細工。細部まで行き渡っています。
ハレムを楽しむには事前準備が必要
正直今現在のハレムは建物だけで、当時を想わせる細々とした生活道具などはないので、空っぽの部屋って感じで、生々しさは感じません。でも歴史やちょっとしたエピソードを知っているだけで、愛憎や悲しみ、陰謀などの影をひしひしと感じられて、ハレム見学が楽しくなります。
ハレムの女性たち
海賊にさらわれたり、奴隷市場で買われたりしてハレムにやって来きた彼女たち。どこかの国の王女だったり貴族の娘だったり、庶民の娘だったり、出身も身分もいろいろですが、ハレムでは前身の身分に関係なく最下位から出発です。そこから出世街道を登っていったものが頂点に立ちます。トップはもちろん「スルタンの母」
スルタンのお目に止まれば最下層から抜け出せます。
男女を問わず子供を産めばさらにひとつ上にすすみます。「寵姫」と呼ばれ専用の個室が与えられました。
更にその上が「正妻」 イスラム教では4人まで妻が持てます。
なので正妻は4人。 ここまで来てやっと召使付きのアパルトマンが持てます。ただ、正妻も皇太子の母以外はかなり不安定で「寵姫」と入れ替ることもしばしばあったのだとか。
大変です。スルタンを振り向かせ、男の子を産んで、更にその子を皇太子にして。その間、どのようなドラマが生まれたのでしょうか。権謀術数の陰湿でドロドロな世界を妄想するのも楽しいです。
【スルタンの大広間】 ハレムの中で一番広く、一番豪華なお部屋です。
スルタンの母后、正妻たちとその子供たちだけがこの広間に入れます。とても私的な空間だったのですね。バルコニーもあり、踊りや音楽をたのしんだとか。
【皇子の部屋】別名【鳥かご】
窓のステンドグラス、壁のタイルの配色、窓枠の細工、とてもシックなお部屋なのですが。
オスマン帝国初期の頃は、スルタンが決まると他の兄弟たちは皆殺しにされたのですが、後年は殺されることはなくなったのですが幽閉されました。
このお部屋も幽閉用のお部屋だったのでしょうか
このお部屋のドームは布で飾られています。もともとは中央アジアの遊牧民だった彼ら。きっとその頃のパオ(テント)への思いが込められているのかもしれませんね。
【皇子の部屋の外観】
【ムラト3世のサロン】12代スルタンのムラト3世の時代、巨匠ミマール・シナンに命じで作らせた建物
細部まで見応えのあるお部屋です。
この尖ったのはムラト3世の暖炉
コチラのドームは大変豪華です。ゴールドがキラキラ眩しいです。
ハレムで一番印象に残っているのは、タイル。美しいイズニックタイルの数々です。偶像が禁じられて表現力が狭くなるって思ってたけど、決してそんなことはなく、タイルの豊かな表現力、幾何学模様の緻密な表現力に驚くばかりでした。