トプカプ宮殿が完成したのは1478年。それから19世紀にドルマバフチェ宮殿に移るまでの400年間、世界最強を誇ったあのオスマン帝国のスルタンの住居であり、政治・行政の中心地であり続けました。
トプカプ宮殿のある丘は、古代ギリシャの時代に神殿だったところ。ボスボラス海峡とマルマラ海、金角湾に囲まれた、とても見晴らしのいい丘の上にあります。
トプカプ宮殿は宝物殿より聖遺物館のほうが人気
宝物殿ももちろん大人気です。86カラットの巨大ダイヤモンドをはじめ、柄の部分に巨大なエメラルドが3つあしらわれた「トプカプの短剣」などなど、栄華を極めたオスマン帝国の象徴ともいうべきお宝が数々あってドキドキしちゃうのですが、でもみなん結構足早です。宝物殿はぎっしり人でいっぱいなのですが、意外と流れは早いのです。それに比べて聖遺物館の方は、皆さん真剣でした。
お宝がいっぱい『聖遺物館』
建物の中では24時間聖職者の方がコーランを唱えています。雰囲気からして他とは異なります。
ココには預言者マホメットのヒゲとか歯とか、外套とか、足跡とかが安置されているのです。みなさん真剣に食い入るように眺めていらっしゃって、イスラム教を信じる方には非常に神聖でありがたいものなのかもしれません。ここだけ熱気ムンムンでした。
この建物の中には「モーゼの杖」もありました。もしかしてあの海を割ったという杖なのでしょうか。他にも聖ヨハネのターバンや(聖ヨハネはターバンを巻いていたの?)、彼の右手の骨などもありました。
すごい!オスマン帝国!私はこっちのほうに目が点になってしまいました。
眺めのいいテラスでお茶を
トプカプ宮殿は広いです。数多くの庭園とそれに連なる小規模な建物と数々の部屋。かなり歩くので結構疲れます。
途中眺めのいいテラスがあったので、そちらで休憩を。レストランもあってお食事もできるようです。
美しい離れ『バーダット・キョシュキュ』
トプカプ宮殿の一番奥に位置する離れ。バクダット征服を記念して建てられた東屋です。ここも眺めのいいところです。ボスボラス海峡や金角湾、新市街やアジアサイドなど遠くまで一望できます。
そして建物の中も素敵。壁や天井に敷き詰められた青のイズニックタイルと光があふれてくる窓のステンドグラス。
晴れた日の午後、窓辺のこんなゆったりしたソファに寝転がってお茶しながら外の景色を眺めてたりしてたのでしょうか。
バーダット・キョシュキュのテラスにある「イフタリエ」。金の屋根の下はラマダン時の夕食を食べたところ。
「割礼の部屋」のタイルも色使いの美しいものでした。ココのタイルだけガラスで保護されていたのですが、貴重なものなのでしょうか。
トプカプ宮殿の台所
ここでは数百人の料理人が4千から5千人の料理を作っていたそうです。
お鍋やお玉など調理器具の展示もあって、興味ある人には面白いところだと思います。
もちろん食器類も展示されています。中国やヨーロッパ、そして日本のもあります。
遠い昔、伊万里や有田からシルクロードを通ってこの地まで運ばれてきたのでしょうか。
この宮殿には12000点にも及ぶ日本の陶磁器が保管されてるのでっすって。展示されているのはごく一部なのですね。他のも見てみたいです。
トプカプ宮殿は広いばかりでなく、見どころもいっぱいなので、じっくり見て回るにはゆうに半日は必要だと思います。レストランもあるので食事の心配もいりません。
「トプカプ宮殿」、混雑を避けるには、一般的には朝一番に行くのがいいって言われています。でもみんなが朝一番に集中すると逆に混んじゃうってこともあるようです。
なのでこれはもう、運としか言えないのかもしれません。