台南駅の後ろ側唯一といっていい観光名所の「国立成功大学」。台湾でもトップクラスの大学で日本でいえば「京都大学」って感じでしょうか。
ホテルの裏にあるので、朝ごはんの後プラプラお散歩にでかけてみました。
国立成功大学の成立ち
設立は1956年、台湾の英雄、鄭成功(でもお母さんは日本人!)にちなんで命名されました。
しかしもともとは日本統治時代の1931年に開校した「台南高等工業学校」がその前身です。
そしてその隣りにあった旧日本軍の歩兵第二連隊の敷地や建物も、1966年から大学として使われるようになりました。
「この木なんの木」昭和天皇のガジュマルの木
成功大学は広いのでホテルから一番近い光復キャンパスをお散歩してみました。
光復キャンパスの一角には、「榕園」と呼ばれる広場があります。巨大なガジュマル(榕樹)の木が3つ並んで立っています。
3つのうち、真ん中の一番大きいこの木が、昭和天皇が皇太子時代に植樹された木なのですって。
こういうのが残っているのが台湾のスゴイところだと思う。現代日本人の私としては複雑な気持ちもあるのだけど、今は人々の憩いの場として、この大きく育った木々は気持ちいい木陰を提供していました。
この日も子どもたちが木の下でカンフーの練習をしていました。
なかなか本格的ですね。ポーズがビシっと決まっています。
残された歩兵第二連隊の建物
台南には旧日本軍の第二連隊が駐留していましたが、終戦後、国民党に撤収されその後も軍事施設として使われていましたが、1966年から成功大学の施設となりました。
歩兵第2連隊の司令部だった【大成館】。古代ローマ風でシャレてます。
旧文学院(歴史系館)。第二歩兵連隊の事務所だった建物です。
成功大学キャンパスには清代の遺構も数多くあります
移築されてきた「小西門」。西門路の道路拡張で取り壊されるところだったのを成功大学が引き取ったとのこと。
小西門の両側に続く城壁も一緒に移築されてきたのかと思ったら、これはココに元からある城壁なんですって。
勝利路は府城の東端の城壁に沿った道で、ここだけ取り壊されずに残っていたのです。この小西門のスグ近くには小東門の址がありました。写真を撮らなかったのが残念。
その他にも「石敢当」や「旗桿夾石」「門額」「石碑」もあって、歴史好きな人には興味深い場所です。
成功大学のキャンパスは近所の人たちの憩いの場
「歴史文物館」近くにある「成功湖」という池。対岸にある極彩色な卵型の石が謎です。なんなんでしょうか、これは。
キャンパス内は緑も多く、学生ばかりでなく近隣の人たちの憩いの場になっています。
時々、唐突に芸術作品が出現します。
「放浪動物」ってどういう意味?キャンパス内ではワンちゃんを見かけることも多いのですが、全くの野良犬ってわけではなく、名前がちゃんと付いているのですね。
床屋さんもありました。女性もOKです。100元(≒380円)って激安ですね。
この荷車は現役です。
グランドでは、朝、夕は学生や近所の人たちでいっぱいです。
台南の道路事情では街中をランニングするってたぶん無理だと思うので(危険です)こういうところは貴重ナンだと思う。大勢の人たちが走っていました。
成功大学の光復キャンパスは緑が多く広々していて気持ちのいいのでのんびりお散歩したりするのもいいし、歴史好きな人なら興味深いものが見られると思います。その際は少しでも下調べしていくとさらに興味が増します。