この通りは、Tukang Emas(トゥカン・エマス)通り。
仏教寺院、ヒンドゥー寺院、イスラム寺院と3つの異なる宗教のお寺が狭い範囲に固まって建っています。なのでハーモニーストリートと呼ばれています。
マレーシア最古の仏教寺院「チェンフーテン」(青雲亭)
1646年の創建ですが、本堂の建築素材や法具類は、すべて中国から運ばれたものです。
中国清朝に滅ぼされた明の遺臣、李為経による発願によるもので、彼はマラッカに逃れてきてここで明国再興を祈願したそうです。
内部の彫刻やぬりものもとても立派なんですが、資材ばかりでなく、彫刻師とかも明からやって来たのでしょうか。
そういえば、当時、徳川幕府にも明から亡命してきた人は沢山いて、彼らの技術の確かさは日光東照宮なんかをみれば一目瞭然ですね。
お寺ばかりでなく、この通りには魅惑的なお店や食堂も多々あります。
大賑わいの飲茶のお店や、しゃれたお土産屋さんとか、ものすっごくおいしいアイスカチャン屋とかいろいろあります。
ジョンカーストリートとは一本違いなのですが、この通りはおススメです。
脇道に入るとさらにグッとジモティー度が上がります。
トライショーの修理屋さんの周りはトライショーで賑わっています。
ここから先は、職人通り。観光客はほとんどいませんがのんびりムードが漂っていて、散策するにはもってこいです。
金物屋さんとかカゴ屋さんとか。
店先にニョニャバスケットがいっぱいの「達興公司」
この店はやたら赤いものばかり売っているのですが、お祝い事関連のお店なのかしら。
まったくの庶民のおうちはこんな感じ。
お茶屋さんもありましたよ。問屋さんみたい。「大紅袍」ってありますが、岩茶もいろいろ売ってるみたいで。
福建烏龍茶が1Kg、18RM(約585円)ってものすごっくお安いのですが…
通りを抜けるとマラッカ川のボードウォークに突き当たりました。
さっきまでのジモティー100%とは打って変わって、
おしゃれな感じに仕上がってます。
そう、おしゃれなカフェやレストラン、素敵なホテルや、デザインに凝ったゲストハウスとかいろいろあります。
その向こうには高層ビルが。富裕層の住むコンドとかあって、マラッカってまだまだ見飽き足りない。
この日のお昼は、ハーモニーストリートのお菓子屋さんで。≪Pooh Keon Enterprise≫という焼き立てパイ菓子屋の系列店です。
「ABC」という具がテンコ盛りのかき氷がおすすめのお店みたいです。
ラクサが売り切れてて、代わりに注文した「カリーミー」
麺はミックス、タマゴ麺と米粉麺が半分づづ入っています。
濃厚なカレー風味のココナッツスープに、チキンとジャガイモがマイルドさを醸し出していてなかな美味しかったです。お菓子屋さんだけどあなどれない。
「ABC」ではなく「アイスカチャン」を食べてみました。
お椀の底に炊いた豆と緑のジェリーが入ったかき氷。マラッカ産のヤシ砂糖とココナッツミルクがかかっています。シンプルだけどおいしい。お気に入りになりました。
それから、ハーモニーストリートには雰囲気の良い「茶館」もありましたよ。
☆☆☆『プラナカン』についてその1.
プラナカンPeranakanは英語では『Born here』、ここで生まれた人という意味です。
かつて仕事を求めて世界各地がらやって来た男性と、地元のマレー人女性の間に生まれた子供たちのことです。中華系ばかりでなく、インド系、ヨーロッパ系などさまざまなプラナカンがいます。
父方の宗教や伝統、母方からは言語、食生活や生活様式を取り入れ、独自の文化に発展していきました。
他の物を拒まず、広く受け入れ、さらにミックスして発展していく、そういう度量の深さをこの地は持っています。
なので居心地良く感じるのかもしれません。